「信用取引に手を出したために資産を全部失ってしまった」などという話をよく耳にします。こうしたことから、素人は信用取引などに手を出してはならないと思われがちです。しかし、実際はそうではありません。信用取引の仕組みを正しく理解し、無理のない範囲で利用するならメリットの方がはるかに大きいのです。特に信用の売り(空売り)ができるようになれば、投資心理は大きく改善されます。
■信用取引をするには株式投資の経験が求められる
株式投資の経験のない人がいきなり信用取引をすることはできません。証券会社によっても異なるようですが、最低1年ぐらいの投資経験が求められるようです。信用取引口座の開設にあたっては、電話での面接が行われ、信用取引に関する質問が5,6問出されます。少しは勉強しておかないと答えられません。私が質問されたのは次の点です。
・委託保証金の額が規定の%を下回るとどうなりますか?
・現引きとはなんのことですか?
・現渡しとはなんのことですか?
・逆日歩とはなんのことですか?
・空売規制を受けるのは売買単位の何倍を超えるときですか?
最後の質問がわからなかったのですが、親切に教えていただき、その時に理解できればO.K.のようです。
■信用取引のメリット
1.自己資金のおよそ3倍の売買ができる
2.空売りができる
■信用取引のリスク
1.損失の額が大きくなる
2.空売りの損失には上限がない
フクロウ式デイトレードでは「大きな損をしない」が大前提です。ですから信用取引も注意して利用します。
3倍の取引ができるといっても、枠いっぱいまで使ってしまうとわずかな値動きですぐに追証を迫られることになります。ですから、売りにしても買いにしても翌日に持ち越す額は自己資金の範囲内と決めておきます。その日の内に決済する分は、枠いっぱいに使っても問題はありません。
また空売りも利用しますが、空売りの損失には上限がありませんので、これで失敗すると、資産を失う可能性もあります。それでフクロウ式では、空売りの場合は翌日には絶対に持ち越さないと決め確実に実行します。上記の2つが守れれば、信用取引は決して怖いものではなくメリットの方がはるかに大きいといえます。
■空売りができるという安心感
株価は常に上がったり下がったりしています。もし現物取引だけだと、株価が上昇するときしか勝負できないことになります。これはデイトレーダーにとっては致命的です。盾と剣を持っている相手に剣だけで立ち向かうようなものです。実際、私も現物取引だけの時には相場が下げ基調にある時にも、無理をして買ってしまい何度も失敗してしまいました。株価を見るだけで何もできないというのは結構つらいものがあります。しかし、信用取引なら空売りができます。相場が下げると思ったときには素直に売ればよいわけです。これは心理的にも大きな強みになります。前夜のニューヨークダウが下げたとき、今までは非常に暗い気持ちになりましたが、今ではそれに基づいて様々な戦略を練ることができます。日本経済全体が下げ基調にあるときでさえ、強気な心持ちでいられるわけです。
とはいえ、信用取引とは借金をしているのと同じですから、慎重にしなければなりません。売買できる額が増えたからといって、気持ちまで大きくなるのは要注意です。現物株と同じく、大きく儲けようと欲をださない限り、それほど大きな損はしないものです。
■初め順張りあと逆張り
現物株でしか取引していなかった時、急落銘柄を見つけると、「これは安い!絶対に買いだ!」と思って買ってみると、そこからさらに大きく下がってしまったということを誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。これは、今買わないとまた上がってしまうという心理が働くからです。しかし信用取引なら空売りができます。「これは安い!買いだ!」と思っても、まずは最低単位で売ってみるのがよいのです。大抵株価はもう少し下がりますからそれを静かに眺めていられる余裕ができます。そして本当に下げがとまったときに改めて買うなら、今度は反転して上昇となるわけです。もちろんいつもうまくいくとは限りませんが、フクロウ式デイトレードではこれを理想の形と考えています。「初め順張り、あと逆張り」です。ぜひこの投資方法をマスターしてください。
信用取引は注意して利用すれば、大きなメリットのあるものです。デイトレーダーにとっては必ず利用したい売買方法です。しかし、信用取引によって資産を大きく減らしてしまい、株式市場から去っていった人が大勢いることもまた事実です。仕組みをよく理解し、欲を抑え十分注意して利用しましょう。
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特にお勧め!! |
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